NPO法人テイパーズクラブ「高齢者・障害者・地域の人々が交流する『バクの家』」

インタビュー:吉住 完治 さん、内山 隆 さん

img_4130s 「障害者に対して、就労に関する事業を行い、障害者の地域における自立に寄与する」ことを目標に、地域活動支援センター福祉作業所「バクの家」を経営、今年で設立14年目を迎えます。今回は理事長の吉住完治さんと施設長の内山隆さんにお話を伺いました。
早速「バクの家」の名前の由来を伺うと、獏(ばく)は中国で想像上の動物で「人の悪夢を食い、邪気を避ける」といわれていることから「ユメを後押しするバク」という願いを込めてつけられたそうです。因みにテイパーズは実在の動物バクの英語名だそうです。

作業は体力・体調を配慮して

 40坪の作業所では、常時12人~13人の知的障害、身体障害、難病の利用者とボランティアと職員の皆さんが作業を行っています。
 当日は企業からの受注で紙袋の持ち手を付ける作業でしたが、パソコンや携帯電話等の小型家電をリサイクルしやすくする為の分解作業などいろいろな仕事を行っているそうです。
img_4127s 作業内容と時間は利用者の体力、体調を日々配慮しながら決めているそうで作業時間は原則9時から16時までですが昼で帰る人や15時で帰る人と様々だそうです。
「仕事の受注量は景気の動向やシーズンで波があり仕事量の確保に苦労しますが受注先の拡大等に努めています。」とのことでした。

社会の一員として

 「家に引きこもりがちな障害者の皆さんが、自分たちも社会の一員として、作業所に来て一日仕事をしたと感じられることが大切で、その場所を常に提供できるようにバクの家の職員一同が日々努めています」と内山さん。
 企業からの工賃はすべて利用者に作業量や能力に関わらず公平に分配されます。

脳の機能を知っておくことが大切

「就労支援も利用者の個々の症状や特徴を知っておくことが欠かせない」と吉住さん。そのためには脳の機能をある程度理解しておくことが大切と「バクの小さな脳文庫」として図書とDVDを残していきたいと準備されています。

「ラブリーデイズ」松戸市元気応援くらぶ(モデル事業)

 NPO法人テイパーズクラブのもう一つの事業として、「高齢者が地域で暮らしていくための生活支援」と「心身の健康維持及びいきいきした生活の応援」「地域での支えあい」を目的とした「通いの場」が2016年4月より同じく福祉作業所「バクの家」で始まりました。
 毎週第1~第4日曜日の10時から15時で好きな時間に来て過ごすことが出来ます。
img_1395s 今回直接会ってお話を伺うことはできませんでしたが、代表の中䑓(なかだい)亜紗子さんは若くて多才な女性で毎回楽しい目玉イベントの企画者であるとのことです。
 メインメニューとして1週目はひとりでできるレクレーション、2週目は小物作り、3週目はみんなでできるレクレーション、4週目は小型家電分解などを中心に、お茶を飲みながらおしゃべりをしたり、囲碁、将棋、ぬり絵、音読など沢山のメニューが用意されています。
 栄養士さんや薬剤師さんにも健康面のアドバイスをもらうこともできます。
 また、小物作りは材料費を払って自分の分だけ作ったり、材料費を払わずにたくさん作って個数分の券と交換。たまった券は定期的にお金と交換するなど楽しみ方もいろいろと工夫されていて参考になることが沢山ありました。
 今回、福祉作業所「バクの家」の事業と合わせて、高齢者と障害者それに地域の人々との交流の「場づくり」への積極的な取り組みなどNPOとして学ばせていただくことが沢山ありました。