NPO法人人材パワーアップセンター「老若男女、地域でわくわくいきいき楽しく」

インタビュー:岩橋 秀高 さん・松山 三郎 さん

jpuc01 今回訪問した、NPO法人人材パワーアップセンターは「わくわくいきいき楽しくね!」を基本に、「何か社会の役に立つことをしたい」と考えているシニア世代の思いを支援し実現すること。「仲間づくり」「居場所づくり」「生き甲斐づくり」を通して社会貢献への道につなげることを目標に活動しています。

 設立は2001年。現在正会員数は80人で、「住まいのミニミニお助け隊」他「楽しい健康体操」「わくわくいこいの場」「地域サロン」と3つのチームに分かれて活動しています。
理事長の岩橋秀高さんから立ち上げの当時から現在にいたるまでの思いを、協働事業に取り組まれた松山三郎さんからは取り組みの成果、課題についてお話を伺いました。

社会の役に立つことがしたい

 60歳で定年退職をした岩橋さん。「世の中の何か役に立つことがしたい」と思っていたそうです。しかしいざ活動しようとすると、地元に「仲間がいない」こと「居場所がない」ことに気づきました。

 手始めに今までの経験を生かし中小企業診断士の仲間と2人で「地域女性の起業スクール」を開催しました。「そこで知り合った企画メンバーの女性たちってみんな人脈がすごいんですよ!」「その点男はダメなんですよね」「男性はネットワークを作ることがへたなんですよ」と岩橋さん。

 まずは男性に限定して、「男たちよ、定年後こそはしっかり生きよう」と「男の居場所探し」を目指す活動を開始しました。その後「シニアの居場所づくり」と改名しさまざまに事業を展開しています。

「健康づくり」で「仲間づくり」を

jpuc02 次に、2009年から3年間に渡って実施された協働事業「楽しい健康体操」推進活動の取り組みでは、担当された松山さん自身の経験から「体操教室」に参加することで、健康の大切さや運動の必要性に気づくと同時に、参加者どうしのコミュニケーションが深まる「仲間作りの場にもなる」と常々考えていたそうです。

 また女性限定の体操教室などはたくさんありましたが、高齢者に特化した教室や、男性も参加できる体操教室は皆無に近かったそうです。それも協働事業への応募へのきっかけとなりました。

成功の秘訣は支え手の育成

 今回の事業で、最初に取り組んだことがマネージャーの育成です。では、マネージャーの役割は?と伺うと、会場押さえ、会費の徴収などまさに縁の下の力持ち的役割。そしてインストラクター(高齢者運動指導員)の育成です。実施会場ごとの指導者や支え手をしっかり育成するという将来を見据えた取り組みでした。
育成にあたっては協働事業の強みを生かして、保健福祉課の協力を得ながら専門家から理論と実技の指導を受けました。

 また、会場選びに関しても市内全域を調査。競合相手はいないか。広さはどうかなど、市民センター以外にも自治会館での実施も視野に入れました。
当初、2会場での体操教室が3年間の協働事業終了時には16会場となりました。現在は定期的に各会場のインストラクターとマネージャーの会議を開き、情報やスキルの共有を図っています。

 課題は会場の確保が難しいことと自治会館等の会場費が嵩むこととだそうです。

「わくわくいきいき楽しくね!」

 最後に「これは私たちの目指すところであり活動の基本姿勢です」と岩橋さん。

jpuc03 「わくわく」とは「夢を持つ」こと、「いきいき」とは「夢の実現に向けて努力をしている」こと、そのために「元気で目が輝いている」ことです。「楽しい」とは「自分の行為に他人が喜んでくれてうれしい」ことと同時に「第三者と自分の成長を楽しむ」ことです。

ボランティア活動の目指すところは「提供する側と受ける側」という敷居を越えてお互いが一体となって共に喜び楽しむことです。と熱く語ってくれました。